第3期レジデンスプログラム アジアの研究者によるトークイベント

zone1969jp2008-01-19

第3期レジデンス・プログラム
アジアの研究者によるトークイベント

1月19日(土) 14:00〜16:00
福岡アジア美術館
美術情報コーナー

チョ・ジョンラン Cho Jeongran (韓国) 巨済アートセンター学芸員
【概要】
 非常に面白そうなプログラムを巨済アートセンターで行なってきた方で、中国の松長の芸術村のアーティストたちとも交流があり、そのアーティストたちの作品は今の中国の様子を如実に表しているようで大変興味深かった。
 日本では美術教育の現状を調査するとともに障害を持った子どもたちを対象としたギャラリートークとワークショップを開催する予定だそうなのでこちらもぜひ見学したいと思った。
 質疑応答時にはいつもどおり緊張してしまい、韓国の障害児童がどのように学校で学んでいるのか、社会的なサポートプログラムはどの程度なされているのかを聞けなかったので非常に悔やんでいる。


アミヌディン・トゥア・ハモナンガン・シレガー 
Aminudin Tua Hamonangan Siregar (インドネシア) バンドン工科大学美術館館長兼主任学芸員
【概要】
 インドネシアの近代美術以降の文献がインドネシアにはないそうで、インドネシアの現代美術のほとんどは国外に流出している状況なのだそうだ。インドネシアの人たちは母国の作家の作品をカタログでしか見たことがなく、彼自身、アジア美術館に来てはじめて本物を見た作品があった、と語っていた。彼はこれを「(美術作品の)ディアスポラ=民族離散」に喩えていて、いつか母国に作品を借りて帰り、インドネシアの人たちに本物を見てもらいたいと言っていた。


【レポート】
 今年はすべてのレジデンスのトークイベントに参加した。参加してみて思ったことだが、皆さん、ものすごくしっかりした考えをお持ちなのだが、プレゼンの際に過去の実績にあまりに多くの時間を割いてしまい、これからの話があまり聴けなかった、という印象を受けた。私が聴きたいと思っているのは「今まで」のことではなく、「これから」のことで、このことは自分を含めて大いに考え、反省したい点だと思った。(雪)


大浦こころ個展「こころの動き」
2008年1月12日(土)−2月11日(月・祝)
ギャラリーアートリエ

【レポート】
 初日に見たときよりも壁画のイメージがはっきりとしてきて、ゆったりとした空気が全体に流れているのがよくわかるようになってきた。大浦こころさん自身も非常にゆったりとした空気感をお持ちの方なのでこれからが楽しみである。それにしても、何度も何度も足を運ぶごとに壁画が変化していって毎回違った表情を見ることができるということで、通わざるを得ない状況を作り上げたキュレーターの花田さんにはしてやられたと思い、ちょっとくやしい。(雪)