清里現代美術館

zone1969jp2007-08-28

清里現代美術館
常設展

【詳細】
 開館して18年目のプライベートミュージアム。16年前と14年前に来館したことがあり、今回の清里の旅のメインのイベントにぜひ行きたいと切望していた美術館。展示物は海外ではヨーゼフ・ボイスマルセル・デュシャンジョン・ケージ等、国内では菅木志雄、菅井汲、川俣正松澤宥等。作品は美術作品ばかりではなく現代音楽等も数多く展示されており、美術と音楽を分けて考えていた自分の乱暴な無意識さに気づかされる内容となっている。
【レポート】
 コレクションされた作家は前述の通り錚々たる現代美術の旗手たちである。近代と現代、と呼ばれる美術をはっきりと分けたのはまさしくボイスであり、デュシャンであり、ケージであった。特にボイスの力強いオブジェとは対照的な繊細なドローイングは恐ろしく美しい。個人的にはロマン・オパルカという作家の、びっしりと数字が描き込まれ、ずっとその数字をつぶやいているだけのCDが添えられた作品が非常に好きだった。
 帰りがけに館長さんらしき人物(※以下、館長さん)にいろいろな話を聞いた。館長さんがおっしゃるには現代美術が難しいと感じ、そのような感想を述べて帰る人がたくさんいるそうで、それはそれでいいのだけれどその先をもっと自分自身で受け止める、あるいは考えてみる、という行為がなされないことが寂しい、とのことだった。館長さんのおっしゃるように現代美術ははっきり言って「なんじゃこりゃ」と思うことが多い。しかし、その「なんじゃこりゃ」の先にある「よくわからないけどなぜか気になる」「これってどういうことなんだろう」と自分自身が揺さぶられることが非常に楽しいのであって、安易に「わからない」と自分で自分の心を閉じてしまうのはあまりにももったいないと思うのだ。美しいタブローが好きな気持ちを批判しているのではない。ただ、わからないもの、自分とは違うものを受け入れる余裕を持つということは、人の営みと重なりはしないだろうか。

黒井健 絵本ハウス
常設展

【レポート】
 この人は狐と森を描かせたら右に出る絵本作家はいないんじゃないだろうか。中学生の頃に憧れた世界が建物一杯に広がっているのはなかなか幸せな光景だ。(雪)