釜山ビエンナーレレビュー

今回は日本人が総合キュレーターを務めるということで、韓国のインディペンデント・キュレーターの方にお話を伺ったところあまりよい反応がなかったのが私たちのいわゆる「前評価」としての一種刷り込みにもなったかもしれませんが、正直な感想として日本でもいくらでも見られる作品群が羅列されていた印象は否めません。しかしそれは私が日本人であるからそう感じるのであり、韓国の人たちにとって目新しく斬新であることも予想できるのは事実です。
ただ、このところの流行なのか、生殖器や人体の一部等の作品が非常に多く感じられ、「またか」という印象でした。これは個人的な作品の好みであり、生殖器を交換した男女の映像や子宮、しゃれこうべ、髪の毛を使用した作品に私自身があまりなじめないこともあり、光州ビエンナーレでのなんともいえない展示にうんざりしたあとだったことも手伝っての感想です。
中には美しい、イメージの世界に浸れそうな作品もありました。作品数的には十分に見ごたえがあり、700ウォンでは安いなと感じました。
これはあくまで個人的な感想であり、今現在私の中でなにかの変化があり、いわゆる「アート」というものに心が揺れず、そういう自分になかなかにショックを覚えています。
この展示の感想は個々人で全く正反対のものとなるでしょうし、アートが大好きな人にとっては楽しい展示なのではないかと思います。11月20日まで開催しておりますのでアートがお好きな方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
釜山ビエンナーレ関連情報はこちら
釜山ビエンナーレ芸術監督;東谷隆司氏によるカタログ序文
釜山ビエンナーレ2010Part1
Part2
Part3
Part4
(報告;藤木雪絵)