H氏の鑑賞教育のススメ

zone1969jp2007-08-19

 本日北九州市立美術館常設展にてOAS(おもしろアートスクール)が先生方を対象に美術館を活用した鑑賞教育の面白さを伝える活動をしました。終始柔らかなH学芸員の語り口で進行した会で、美術館という場所が「高い授業料と膨大な勉学の末にたどり着いて触れることのできる最高の知的機関である大学と同じように、入場料金を支払えば触れることのできる優れた感性の宝庫なのだ」と語っていたのが印象的でした。

北九州市立美術館
常設展

【レポート】
 お宝の山、といった感じで眼福だった。特に郷土のゆかり作家の展示コーナーで見た森山安英の作品は非常に美しい銀色の画面をたゆたえている。これが集団蜘蛛の時代に糞尿を観客に向けて投げていた人物と同一とは驚きの代物であるが、糞尿を洗い流して至った境地、ということか。

旅する絵本カーニバルin北九州2007
2007年8月14日(火)−8月26日(日)
北九州市立美術館 本館

【レポート】
 絵本1000冊以上が展示された、ただただ圧巻な展示。すわり心地のよさそうなゆらゆら揺れるソファに子どもが寝そべりながら思い思いの絵本を読む姿はほほえましい。その中でも駒形克己の絵本は群を抜いて美しい。個人的には福岡アジア美術館よりこちらの展示のほうが好きである。ただ、残念なことに前述したとおり私は「絵本を読み聞かせる」情操教育を施されてこなかったため、大人になってから買った小川未明・作、酒井駒子・絵の「赤い蝋燭と人魚」や大竹伸朗の「ジャリおじさん」にわくわくしていた。子どもの頃に大好きだった「あかいくるま」(というタイトルだったかも忘れてしまった)というフォルクスワーゲンゴルフの絵本はもう絶版になっているのかもしれないと思い、少しだけ悲しかった。(雪)