art talk session vol.1 宮川敬一

zone1969jp2007-05-27

thinking on the borderland
art talk session Vol.1 宮川敬一
−都市へ侵入するアーティスト−
【ゲスト】
毛利嘉孝(東京藝術大学 音楽学部音楽環境創造科 准教授)
増田聡(大阪市立大学大学院 文学研究科 専任講師)
【スケジュール】
14:00 開会
・「thinking on the border land プロジェクトとは?」 谷口幹也(美術教育学/九州女子大学
・「問題提起、宮川敬一のアクティビティーが問いかけるもの」 花田伸一(北九州市立美術館)
14:20 報告+提案
・「GALLERY SOAPの10年を考える」 毛利嘉孝
・「北九州という場、抵抗としてのポップミュージック」 増田聡
15:50 フォーラム 「宮川敬一氏を交えて語る」
17:00 閉会
【概要】
 2007年度は北九州市出身の宮川敬一、白川昌生、森山安英の三人のアーティストを取り上げ、その活動の軌跡を追い、かつ美術以外の分野のゲストによる、より多角的な視点から検証しようと試みた第一回目「宮川敬一編」。三人を検証するにあたっての留意点は以下の3点。
・美術について、作品(結果)ではなく、活動・表現行為といったプロセスに注目する。
・美術を目的地点(結果)と見なすのではなく、通過地点(手段)と見なす。
・美術とそれ以外の分野との交わり、展開について考える。

【レポート】
 宮川敬一氏の作品をドキュメントとしてじっくりと見る機会を初めて得た。その行為としての作品群は私にとり眩しくもあり、羨ましくも見えた。アンディ・ウォホールへのインタビュー※註等の近作の映像作品2点は、そのまじめなばかばかしさが非常に興味深いものだった。(文章では伝えきれずに残念。)だがそれはじっと椅子に座って見るという状況だからで、美術館に設置をしても単なるインスタレーションに見えてしまい、その面白さが伝わりにくくなってしまう、とゲストの毛利氏が発言していたのが印象的だった。確かに展覧会場にある映像作品をよほどのことがない限り私は最後までじっと見たことはない。また、会場で見ていても周囲の喧騒が気になり、内容についてまで深く考えることもあまりない。かつて鑑賞とは美術は場所を要し、音楽は時間を要した。しかしながらその境界線はいまやあいまいになりつつあるようだ。(雪)
※註…インタビュアーが降霊したウォホールにさまざまな質問を日本語でぶつけた作品。画面に始終映し出されるピカソのドローイングの美しさが、その内容のばかばかしさを一層際立たせている。映像作品中、動いているのは英語字幕だけ。