プライスコレクション「若冲と江戸絵画」

zone1969jp2007-02-25

プライスコレクション 若冲と江戸絵画
九州国立博物館
2007年1月1日(月)−3月11日(日)

【レポート】
 とにかく人が多すぎて…。日曜日に見に行ったのは失敗だった。友人に「新たな若冲が発見されている、必見」と薦められて期待していたせいか、やや展示内容には不満が残った。没後200年の京都国立博物館の「若冲!」展のほうが私にとっては圧倒的によかったように思える。最も、人がもっと少なくてゆっくりと見ることができたらまた印象は違っていたのかもしれない。展示内容もさることながら、観客のあまりの多さに警備員の「立ち止まらないで下さい!」という声がうっとおしかった。これはもう絵を楽しむ環境ではない。
 この展示を見て、自分の感覚が枯渇していく感じになんともいえない気持ちになった。思えば感動した展覧会や絵画に出会ったのは20代の頃のことで、もしかしたらもうあんなふうに電撃が走る感じは年齢的にもう味わうことができないのかもしれない、とやるせなくなった。新たなアートとの付き合い方を見つけることと、心を健康に保つことの重要さを改めて痛感する。(雪)